必要な要件の違い

社団法人と株式会社の設立に必要な要件の違いを知ろう

社団法人と株式会社は、定款を作成して認証を受けた上で、登記手続きを終えれば正式に設立となる点など、設立手続きの進め方についてはよく似ています。しかし、会社法を根拠につくられる株式会社と、一般社団・財団法人法を根拠につくられる社団法人では、設立に必要な要件に様々な違いがあります。

法人を立ち上げるためには、社員と役員が必要となりますが、株式会社の場合は1人の発起人が取締役を兼ねることで、社員1名でも立ち上げることができるのに対し、社団法人は社員が少なくとも2名は必要で、2名のうち少なくともどちらか1名が理事を兼務しなければなりません。ただし、これは役員会を設置しない場合の基準で、役員会を設置する場合、取締役会の最小構成が取締役3名、監査役1名、理事会の最小構成が理事3名、監事1名となっており、人数の基準は一緒になります。

設立に必要な資本金の基準も異なっており、株式会社だと発起人の誰かが1円以上を出資する必要がありますが、社団法人は資本金の概念が存在しないため、出資を行わないままでも立ち上げることができます。また、基金制度をつかって運営に必要なお金を集めることができますが、社員などから基金に拠出したお金の返還を求められた場合は、社員総会の決議を経てこれを実施しなければならない義務があります。資本金については返還義務はありません。

設立に必要な費用も両者で異なります。株式会社の場合は、公証役場での定款認証手続きで認証手数料50,000円の納付が必要となっており、紙に定款を作成した場合はさらに収入印紙代40,000円の納付も必要となります。また、登記申請時に納付する登録免許税の税額は、15万円と資本金の1000分の7に相当する金額のうちのどちらか多い方となっています。これに対して、社団法人の場合は、定款認証手数料については50,000円と同額ですが、収入印紙代については定款の作成方法に関係なく不要となっています。また、登録免許税については拠出金の大小に関係なく、申請件数1件につき60,000円となっています。社団法人は営利法人と比較すると法定費用が安くなっているのが特徴です。

社団法人は他の形態の法人と比較すると、資金を必要としない分、手軽に設立することができ、立ち上げた後も税制面では有利な点が多いです。しかし、営利を目的としない法人であることから、剰余金の分配ができないことをはじめとしてデメリットもいくつかあります。社団法人をつくることを考えている場合は、この形態の法人の利点と欠点を踏まえた上で立ち上げるかどうかを判断しましょう。”