寄付金の扱い

社団法人設立後に受け取った寄付金の税務上の扱い

社団法人を設立し、ある程度事業実績が出て知名度が上がってくると、個人や法人からたくさんの寄付が集まりやすくなり、より良い運営環境を構築することが可能になります。社団法人に集められた寄付金については、税務申告後に税務署から指摘を受けるようなことがないように、正確に処理しましょう。

社団法人は大きく、普通法人、非営利型法人、公益法人の3つに区分され、寄付による収入の取り扱いは各区分ごとに異なります。
普通法人の場合、法人税はすべての所得が算入の対象となっており、寄付金についても事業実施によって生じた売り上げや会費などと一緒に収入として計上しなければなりません。しかし、非営利型法人と公益法人だと、法人税の課税対象は収益事業を行うことで得た所得のみとなるため、寄付や会費による収入は所得金額の計算時に算入する必要はなくなります。

社団法人を設立する際に、主要な事業に収益事業に該当するものが含まれていないのであれば、最初から非営利型法人として設立した方が法人税の面において有利になります。
非営利型法人の設立者の中には、将来的に公益法人への移行を目指している者が少なくありませんが、もし公益法人化を考えているのであれば、みなし寄付金制度を理解しておく必要があります。この制度は、収益事業によって得た資金を収益事業以外の事業に用いることを目的に支出した場合に、支出した金額を収益事業に関する寄付とみなすことができる制度です。公益社団法人のみなし寄付金は、公益目的事業を実施するために必要な金額か、所得金額の5割に相当する金額のうち、どちらか多い方の金額まで損金に算入することができます。

この制度は収益事業と公益目的事業の両方を実施していた場合にメリットがあり、公益目的事業で生じた損益を収益事業で得た利益で補填することで、法人税の課税対象となる所得金額を減らすことができ、税負担の軽減につなげることができます。場合によっては、法人税額をゼロ円にすることも可能です。

社団法人の寄付による収入は、普通法人より非営利型法人の方が課税対象となる所得の範囲が狭まる分、税制面で有利になります。また、非営利型法人と公益法人では法人税の課税対象の範囲は一緒ですが、みなし寄付金制度が利用できる分、公益法人の方が税制面で有利になります。法人税額が低くなれば、2014(平成26)年10月以降に開始する新規事業年度から納税義務が発生するようになった地方法人税や、法人住民税の法人税割の税額も低く抑えられる可能性があります。